レイアウトの基本6:レイアウトの考え方(視線)

視線は、ゾーニングの時に“コンセプトを意識した視線計画”でも出てきました。ゾーニングの時には、大きくエリア決めをするために、ざっくりとした視線の方向性を確認したわけですが、動作・動線を確保した上で、家具のレイアウトの際に行う視線のチェックはお部屋を素敵に見せる為のもの。視線を確認するのは、基本的に“留まっている場所”からです。

 

大きくは
・入口や通路のコーナーなどの移動起点
・ソファやチェア、ベッドなど座る場所
・キッチン、家事などの作業場所
をチェックします。

 

チェックするのは、次の3つのポイントです。
(1)広く見せる
(2)ノイズを消す
(3)目を引く所を作るbr />
要するに、お部屋を素敵に見せるには、広くてすっきりした中にお洒落な部分で目を引けば良い、ってことです。

 

チェックする場所によって、ポイントの中心も変わりますが、それぞれ見ていきましょう。

 

(1)広く見せる
特に、移動起点からのチェックの際に重要です。方法としては、遠近法を取り入れる、大きな鏡を置く家具の背を低めにおさえる、などがあります。遠近法は、背の高い家具を手前に置いて徐々に背の低い家具を奥に向けて置いていく事で先が遠くに見える目の錯覚を利用するものです。大きな鏡を置くのは、お店でもよく行われていますから皆さんも経験ありますよね。もっと向こうにお店が続いているのかと思ったら、鏡だった(^_^;)っていうもの。ただし、鏡を大きくて、よく磨いておく必要がありますね。家具をこれから購入される場合には、背を低めにおさえる事で、実際に広い空間を確保できます。

 

(2)ノイズを消す
特に座る場所や、作業場所からのチェックの際に重要です。座っている時や、作業している時は、目的を持って活動していますから、視線はできるだけその目的に集中したいものです。ですから、できるだけ、余計なモノが視界に入らないように、配置しましょう。
例えば、ダイニングセットの向きは、キッチンに対して水平に置くと、片方の席の人は、正面の人越しにキッチンが見えてしまいます。キッチンは、どうしても雑多なモノが置かれやすいですから、あまり気持ちの良い物ではありません。ですから、ダイニングセットはキッチンに対しては垂直に置くのが視線としては○です。また、お部屋の中で、いつも雑多なモノが出やすい場所には片づけがしやすいように、その近くに収納を置くことでノイズを消す事も考えられます。
作業をする際の道具をとりやすくしたり、座ってテレビを見る時に集中できるようにしたりする為にも、ノイズを消すというのを意識してレイアウトしましょう。

 

(3)目を引く所を作る
専門用語では、フォーカルポイントとも言います。移動起点、特に入口でのチェックで重要です。ドアを開いてお部屋に入った時に、そこが「素敵なお部屋♪」という印象になるか、「なんかイマイチ」となるかは、パッと見た時のとても短い時間での印象で決まるものです。
そこで、一カ所、お洒落な場所を作っておくことで、目がそこに集中し、印象がグッとよくなります。お洒落な場所の工夫が必要になりますが、ここは、難しく考えないで、むしろ楽しむところです。基本的には、入口から入って、比較的目を向けやすい方向の壁を飾るのがコツです。その場所にソファが置ければ、ソファの上を飾ります。かっこいいインテリアの雑誌で、よくソファの上に絵や写真が飾られていますよね。壁の飾り方は色々。自分のお気に入りの絵や写真、ポスターを飾ったり、コンソールテーブルやデザイン性のあるチェアを置いて小物やグリーンを飾るのも良い方法です。
注意するのは、大きさのバランスとテイストの統一感です。あと、欲張って何カ所も作らないで下さい。一つ目がうまく行くと、どうしても、もっとやりたくなってしまうのですが、フォーカルポイントは、その名のとおり焦点を合わせるポイントなので、何カ所もあると今度は雑然とした感じになる危険性が増えます。