レイアウトの基本8:レイアウトの考え方(インテリアスタイリング)

前回までの、“家具のレイアウト”で図面上のレイアウトは完成です。次は、実際に置いてみましょう!

 

実際に置いてみる際に意識をしたいのがインテリアスタイリングです。インテリアスタイリングというと飾りアイテムとしての雑貨を用意して家具の上にデコレーションするというのを指すことが多いと思いますが、ここでは、家具の配置をする上でのスタイリングです。

 

レイアウトを図面でやっている間は主にマクロな視点の配置でしたが、スタイリングでは、視点はミクロになります。つまり、「細かいラインをきっちり揃える」ということです。ヘアカットでいえば、最後の仕上げの際にもう一度見直して、毛先のラインを調整する段階ですね。

 

チェックするのは、並びの面。横に並べている家具はもちろん、間を開けて並んでいるものもそうです。基本的には、面合わせ(手前の面に合わせる)か、中心線合わせにします。
多くの場合は、面合わせの方が美しさの点でも、利便性の点でもベターでしょう。特に壁寄りの収納系の家具は壁着けにすると、家具の奥行きの分それぞれの家具がバラバラに飛び出て美しくありませんので、必ず揃えましょう。もっと言うと、家具ではありませんが、見せる収納の場合、収納の中に置いてあるモノも、ラインを揃えて配置するとより美しくなります。書籍などは、その典型。入っている書籍は、一旦一杯まで手前に置いて背の高い本の背で押して揃えてあげるだけ美しく見えます。

 

また、高さに関しても、微妙な違いしかなくて第6回:視線の遠近法の効果があまり出ない場合は、むしろ揃えてしまった方が綺麗。高さを揃える一番簡単な方法は、低い方の収納の下にその高さ分の板を敷くことです。ついでに地震対策用の下敷きも敷いておけば一石二鳥♪板を敷くくらいでは高さが埋まらないくらいの差の場合は、家具の色と同じ板(同じものがなければ、近い色でちょっと薄目のもの)で、奥行きの一番深いモノに合わせた幅のものを用意して、上に設置することで、1つの家具のような一体感を出すことも出来ます。
板は、最近ではホームセンターなどで、簡単に手に入りますがそこまでやるのはちょっと・・・という方は、その高さの差分に合ったボックスや置物を低い方に置くことでも、多少の改善にはなります。(ただしあまりごちゃごちゃとならないように気を付けましょう)

 

また、家具の配置が綺麗にできているのに、すっきり感が出ないのは、色の問題が大きいです。もし、手持ちのもので、どうしようもない場合は、収納系であれば、ロールスクリーンなどで隠すという手もあります。前述のように板を上に配置している場合などは、それもしやすくて良いですね。また、他のお部屋で使うことにしているものをチェックして使い勝手が変わらないのであれば、色合わせが良いようにスイッチするという事も考えてみましょう。

 

今回は、既に家具があることを前提にお話をしましたがもし、新たに家具を買うのであれば、色合わせをしっかりしましょう。色の選定は、家具配置にとっても、大変重要です。家具の場合、自然の木であったり色々なメーカーのものを組み合わせる必要があったりと、完全に色を合わせるのは難しいものですし、近寄って色のチェックをするような機会があるわけではありませんから、微妙な色の違いを気にする必要はありませんが、トーンは合わせておきたいですね。